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特定施設入居者生活介護の指定

特定施設入居者生活介護の指定

特定施設は有料老人ホーム等の内、人員/設備/運営に関する基準を全て満たし事業者指定を受けた施設です

「特定施設」「特定施設入居者生活介護」とは?

「特定施設」は介護保険法第8条の11で次のように定義されています。

この法律において「特定施設」とは、有料老人ホームその他厚生労働省令で定める施設であって、第二十項に規定する地域密着型特定施設でないものをいい、「特定施設入居者生活介護」とは、特定施設に入居している要介護者について、当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいう。

また、上記条文中・・・有料老人ホーム「その他厚生労働省令で定める施設」については、施行規則第15条にて
法第八条第十一項 の厚生労働省令で定める施設は、次のとおりとする。
一  養護老人ホーム
二  軽費老人ホーム


上記条文中・・・「その他厚生労働省令で定める事項」については、施行規則第16条にて
当該要介護者の健康上及び生活上の問題点及び解決すべき課題、提供するサービスの目標及びその達成時期並びにサービス を提供する上での留意事項 とする 。

上記条文中・・・「厚生労働省令で定めるもの」については、施行規則第17条にて
入浴、排せつ、食事等の介護、洗濯、掃除等の家事、生活等に関する相談及び助言その他の特定施設に入居している要介護者に必要な日常生活上の世話とする。

とそれぞれ規定されています。なお、「サービス付き高齢者向け住宅」が、有料老人ホームの定義に該当する場合、有料老人ホームとして特定施設に該当することとなり、特定施設入居者生活介護の指定対象となります。

以上をまとめると、特定施設は、『有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の4タイプ』の施設の内、以下で説明する『指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第12章174条~192条』を全て満たし、都道府県から事業者指定を受けた施設ということになります。
※地域密着型の特定施設の場合は市町村が指定します。
※特定施設は地域毎に上限が決められていますので、サービス量がすでに必要量に達してしまっている場合は、新たな指定はされなくなります。

特定施設入居者生活介護事業所における介護サービス利用料

自宅や住宅型有料老人ホーム、(特定施設の指定を受けていない)サービス付き高齢者向け住宅で訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを利用した場合、『実際に利用したサービスの1割』を負担することになるため、要支援状態など介護度が低い間は介護度別に決められた限度額以内で収めることができるケースが多くサービス利用料負担は軽くなっています。しかしながら、介護度が上がっていくと限度額を超えて介護サービスを利用して全額自己負担する必要がでてくるなど負担額は介護サービスを利用した量と比例して増加します。
一方、介護付有料老人ホームや特定施設の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅で受ける介護サービスの利用料金は、サービス利用量に比例するのでなく、介護度別に日割り計算で固定となっています。このため、介護度が低い場合はサービス利用と比して負担が大きくなる場合もありますが、介護度が高くなっても料金が固定されているため在宅サービスで個別に利用するよりも安価になります。(ただし、規定以上の入浴をするなど、ケアプランで決められた以上のサービスを受ける場合は全額自己負担となります)

特定施設入居者生活介護事業所の基本方針【法第174条】

  1. 特定施設サービス計画に基づき、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練及び療養上の世話を行うことにより、要介護状態となった場合でも、当該指定特定施設入居者生活介護の提供を受ける入居者が当該指定特定施設においてその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするものでなければならない。
  2. 指定特定施設入居者生活介護の事業を行う者は、安定的かつ継続的な事業運営に努めなければならない。
  3. 養護老人ホームが指定特定施設入居者生活介護の事業を行う場合については、第五節に規定する外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護の事業を行うこととする。

特定施設入居者生活介護事業所の指定基準(1)~人員に関する基準【法第175.176条】

※併設する事業所・施設等がある場合には、これらに従事する者との兼務は可
1.生活相談員
  • 常勤換算法で利用者100人又はその端数を増すごとに、1 人以上
    ※うち1人以上は常勤でなければならない
2.看護職員(看護師若しくは准看護師)又は介護職員
  • 看護職員及び介護職員の合計数は、常勤換算方法で、要介護者である利用者の数が3名、要支援の利用者の数が10名又はその端数を増すごとに1人以上であること。
    ※看護職員、介護職員はそれぞれ1人以上は常勤でなければならない
  • 利用者数が30名以下の場合は常勤換算で看護職員を1人以上
  • 利用者数が30名を超える場合は30人を超えて50人またはその端数を増すごとに常勤換算で看護職員を1人以上
3.機能訓練指導員
  • 1人以上
    ※当該特定施設における他の職務に従事することができる
    ※機能訓練指導員とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師、按摩マッサージ指圧師を指します
4.計画作成担当者(介護支援専門員~ケアマネージャー)
  • 利用者数が100人またはその端数を増すごとに1人以上
    ※利用者の処遇に支障がない場合は、当該特定施設における他の職務に従事することができる
5.管理者
  • 指定特定施設ごとに専らその職務に従事する管理者を置かなければなりません。
    ※指定特定施設の管理上支障がない場合は、当該指定特定施設における他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができる

特定施設入居者生活介護事業所の指定基準(2)~設備に関する基準【法第177条】

建物の構造
  • 耐火建築物又は準耐火建築物でなければならない
  • 都道府県知事が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、スプリンクラーの設置や非常警報設備の設置等の要件を満たす木造かつ平屋建ての建物であって、火災に係る利用者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない
  • 利用者が車椅子で円滑に移動することが可能な空間と構造を有する。
  • 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設ける。
  • 建築基準法及び消防法の基準に適合すること
共用施設・設備
  • 一時介護室(一時的に利用者を移して指定特定施設入居者生活介護を行うための室をいう)、浴室、便所、食堂及び機能訓練室を有する。
  • 他に利用者を一時的に移して介護を行うための室が確保されている場合にあっては一時介護室を、他に機能訓練を行うために適当な広さの場所が確保できる場合にあっては機能訓練室を設けないことができるものとする。
  • 一時介護室は、介護を行うために適当な広さを有する。
  • 浴室は、身体の不自由な者が入浴するのに適したもの。
  • 便所は、居室のある階ごとに設置し、非常用設備を備えている。
  • 食堂は、機能を十分に発揮し得る適当な広さを有する。
  • 機能訓練室は、機能を十分に発揮し得る適当な広さを有する。
介護居室
  • 居室の定員は1人とする。ただし、利用者の処遇上必要と認められる場合は、2人とすることができるものとする。
  • プライバシーの保護に配慮し、介護を行える適当な広さである。
  • 地階に設けてはならない。
  • 1つ以上の出入口は、避難上有効な空き地、廊下又は広間に直接面して設ける。

特定施設入居者生活介護事業所の指定基準(3)~運営に関する基準【法第178-192条】

内容及び手続の説明及び契約の締結等(第178条)
  • あらかじめ、入居申込者又はその家族に対し、第189条の運営規程の概要、従業者の勤務の体制、利用料の額及びその改定の方法その他の入居申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、入居及び指定特定施設入居者生活介護の提供に関する契約を文書により締結しなければならない。
  • 入居者の権利を不当に狭めるような契約解除の条件を定めてはならない
  • より適切な指定特定施設入居者生活介護を提供するため利用者を介護居室又は一時介護室に移して介護を行うこととしている場合にあっては、利用者が介護居室又は一時介護室に移る際の当該利用者の意思の確認等の適切な手続をあらかじめ第一項の契約に係る文書に明記しなければならない。
指定特定施設入居者生活介護の提供の開始等(第179条)
  • 正当な理由なく入居者に対する指定特定施設入居者生活介護の提供を拒んではならない
  • 入居者が指定特定施設入居者生活介護に代えて当該指定特定施設入居者生活介護事業者以外の者が提供する介護サービスを利用することを妨げてはならない
  • 入居申込者又は入居者(以下「入居者等」という。)が入院治療を要する者であること等入居者等に対し自ら必要なサービスを提供することが困難であると認めた場合は、適切な病院又は診療所の紹介その他の適切な措置を速やかに講じなければならない
  • 指定特定施設入居者生活介護の提供に当たっては、利用者の心身の状況、その置かれている環境等の把握に努めなければならない。
法定代理受領サービスを受けるための利用者の同意(第180条)
  • 老人福祉法第29条第1項に規定する有料老人ホームである指定特定施設において指定特定施設入居者生活介護(利用期間を定めて行うものを除く。以下この条において同じ。)を提供する指定特定施設入居者生活介護事業者は、当該指定特定施設入居者生活介護を法定代理受領サービスとして提供する場合は、利用者の同意がその条件であることを当該利用者に説明し、その意思を確認しなければならない
サービスの提供の記録(第181条)
  • 指定特定施設入居者生活介護の開始に際しては、当該開始の年月日及び入居している指定特定施設の名称を、指定特定施設入居者生活介護の終了に際しては、当該終了の年月日を、利用者の被保険者証に記載しなければならない。
  • 指定特定施設入居者生活介護を提供した際には、提供した具体的なサービスの内容等を記録しなければならない
利用料等の受領(第182条)
  • 法定代理受領サービスに該当する指定特定施設入居者生活介護を提供した際には、その利用者から利用料の一部として、当該指定特定施設入居者生活介護に係る居宅介護サービス費用基準額から当該指定特定施設入居者生活介護事業者に支払われる居宅介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。
  • 法定代理受領サービスに該当しない指定特定施設入居者生活介護を提供した際にその利用者から支払を受ける利用料の額と、指定特定施設入居者生活介護に係る居宅介護サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。
  • 「利用者の選定により提供される介護その他の日常生活上の便宜に要する費用」「おむつ代 」「指定特定施設入居者生活介護において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの」についての支払を利用者から受けることができる
  • 前項の費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、利用者の同意を得なければならない
指定特定施設入居者生活介護の取扱方針(第183条)
  • 利用者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、認知症の状況等利用者の心身の状況を踏まえて、日常生活に必要な援助を妥当適切に行わなければならない
  • 特定施設サービス計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して行われなければならない
  • 指定特定施設入居者生活介護の提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、利用者又はその家族から求められたときは、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない
  • 指定特定施設入居者生活介護の提供に当たっては、当該利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない
  • 前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
  • 自らその提供する指定特定施設入居者生活介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない
特定施設サービス計画の作成(第184条)
  • 管理者は、計画作成担当者に特定施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする
  • 計画作成担当者は、特定施設サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、利用者について、その有する能力、その置かれている環境等の評価を通じて利用者が現に抱える問題点を明らかにし、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない
  • 計画作成担当者は、利用者又はその家族の希望、利用者について把握された解決すべき課題に基づき、他の特定施設従業者と協議の上、サービスの目標及びその達成時期、サービスの内容並びにサービスを提供する上での留意点等を盛り込んだ特定施設サービス計画の原案を作成しなければならない
  • 計画作成担当者は、特定施設サービス計画の作成に当たっては、その原案の内容について利用者又はその家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得なければならない。
  • 計画作成担当者は、特定施設サービス計画を作成した際には、当該特定施設サービス計画を利用者に交付しなければならない
  • 計画作成担当者は、特定施設サービス計画作成後においても、他の特定施設従業者との連絡を継続的に行うことにより、特定施設サービス計画の実施状況の把握を行うとともに、利用者についての解決すべき課題の把握を行い、必要に応じて特定施設サービス計画の変更を行うものとする
介護(第185条)
  • 介護は、利用者の心身の状況に応じ、利用者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、適切な技術をもって行われなければならない
  • 自ら入浴が困難な利用者について、1週間に2回以上、適切な方法により、入浴させ、又は清しきしなければならない
  • 利用者の心身の状況に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない
  • 利用者に対し、食事、離床、着替え、整容その他日常生活上の世話を適切に行わなければならない
健康管理(第186条)
  • 看護職員は、常に利用者の健康の状況に注意するとともに、健康保持のための適切な措置を講じなければならない
相談及び援助(第187条)
  • 常に利用者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、利用者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、利用者の社会生活に必要な支援を行わなければならない
利用者の家族との連携等(第188条)
  • 常に利用者の家族との連携を図るとともに、利用者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない
運営規程(第189条)
  • 指定特定施設ごとに事業の運営について以下の重要事項に関する規程を定めておかなければならない。
  • 「事業の目的及び運営の方針」「特定施設従業者の職種、員数及び職務内容」「入居定員及び居室数」「指定特定施設入居者生活介護の内容及び利用料その他の費用の額 」「利用者が介護居室又は一時介護室に移る場合の条件及び手続」「施設の利用に当たっての留意事項」「緊急時等における対応方法」「非常災害対策」「その他運営に関する重要事項」
勤務体制の確保等(第190条)
  • 利用者に対し、適切な指定特定施設入居者生活介護その他のサービスを提供できるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない
  • 当該指定特定施設の従業者によって指定特定施設入居者生活介護を提供しなければならない。ただし、当該指定特定施設入居者生活介護事業者が業務の管理及び指揮命令を確実に行うことができる場合は、この限りでない
  • 前項ただし書の規定により指定特定施設入居者生活介護に係る業務の全部又は一部を委託により他の事業者に行わせる場合にあっては、当該事業者の業務の実施状況について定期的に確認し、その結果等を記録しなければならない
  • 特定施設従業者の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない
協力医療機関等(第191条)
  • 利用者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力医療機関を定めておかなければならない
  • あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない
地域との連携等(第191条の2)
  • 事業の運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならない
  • 事業の運営に当たっては、提供した指定特定施設入居者生活介護に関する利用者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない
記録の整備(第191条の3)
  • 従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない
  • 利用者に対する指定特定施設入居者生活介護の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない
  • 「特定施設サービス計画」
    「第181条第2項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録」
    「第183条第5項に規定する身体的拘束等の態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録」
    「第190条第3項に規定する結果等の記録」
    「次条において準用する第26条に規定する市町村への通知に係る記録」
    「次条において準用する第36条第2項に規定する苦情の内容等の記録」
    「次条において準用する第37条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録」
    「施行規則第64条第3号 に規定する書類 」
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